
都市空間における照明は景観の面でいえば、街の財産になりますが、私たちは慣れっこになってしまい、都会の夜景のすばらしさにあまり注意を払わないようになっています。この点大宮町を夜歩いてみると、照明という観念について、2つのエリアを見事にすみわけしているのがわかります。
商業エリアはラゾーナ川崎プラザの多様で強烈な照明から始まります。それはミューザ川崎までつらなっていますが、住宅地区に近くなればなるほどその光は柔らかくなります。そして居住区の照明は落ち着いていて、あくまでも色温度の低い柔らかな光を基調としています。
ペデストリアンデッキの照明は、主動線を顕在化させるための明かりで、住民が安らかに夜を過ごせるように配置されています。
この大宮町地区では点滅する照明は使用しないことになっています。点滅する照明とは繁華街のネオンなどが該当します。確かに目につく明かりは瞬き一つしません。
ミューザ川崎の正面エントランス広場に、オブジェ彫刻がありますが、その床面には演出効果のためライトアップがされています。観察していると明かりが順番にブルー、ピンクと変わっていきますが、ここでもゆっくりと色が変化して点滅するような照明は使われていませんでした。
日本では部屋の真ん中に蛍光灯の明かりがあってその光だけで、部屋の中を照らしていますが、ヨーロッパの映画に出てくる、おしゃれな部屋はフロアライトや間接照明などのいくつもの明かりで部屋を演出しています。個々の明かりは多少弱く暗くても光源がたくさんあった方が、部屋が広く見えます。光源が奥行を演出するのです。そのような光源の使い方がこの大宮地区でもされているようです。
「ブリリアタワー川崎」は道路沿いに針葉樹を植え北欧の森を模したオープンスペースを解放していますが、その場所は静かに森をライトアップしており、とても雰囲気の良い空間になっていました。まさに光が空間を演出していました。
ついでに足を延ばして、当研究所が建てる分譲マンションの夜景を見に行きました。ただナトリウム街灯が空き地を照らし出していただけでした。早くここにマンションが建ち、その夜景を十分堪能してみたいです。