ホーム - 長期優良住宅の住まい選び - ニュートンで表されるコンクリートの強度、そして受入検査のこと

ニュートンで表されるコンクリートの強度、そして受入検査のこと。

 単位としてはあまり聞き慣れない言葉だが、コンクリートの強度はニュートンと呼ばれ、N/mm2という単位で表される。1N/mm2は1cm2に約10kgの重さが掛かっても支えることができる強度の単位だ。生コンはフレッシュコンクリートの状態で届く。それを現場で組立てた型枠に打設するわけだが、当日に、生コン受入れ検査が必ずおこなわれる。
 生コンミキサー車が到着するとフレッシュコンクリートをサンプリングする。検査項目はフローと呼ばれる打設作業のためのテスト、フレッシュコンクリート内に含まれる空気量、骨材(砂利)に含まれている塩分濃度、コンクリート温度など、チェックが手早く行われる。
 流動性の値を計るフロー検査は、まず鋼製の空(から)のコーンを鉄板の上に置きコンクリートを入れた後に、コーンを上に引き抜き広がり具合を計る。素人目にはお好み焼きを作るようで少し笑えた。 これはスランプと呼ばれる検査方法なのだが、川崎ゲートタワーのコンクリートは流動性が高いためスランプ値の代わりに、試験体の広がりを見るフロー検査を用いるとのことだ。 流動性が高いほど施工性が高いということになる。ここで疑問が湧いた。川崎ゲートタワーは高強度コンクリートを使用しているはず。高強度のコンクリートであるならば、水分量が少ない硬いコンクリートが使用されるのではないのか?  コンクリートの強度を表す指標に水セメント比がある。一般的にコンクリートは水を多く使用することによりスランプが大きくなるが、水を多く加えるとコンクリートの強度は低下してしまうのだ。 コンクリートと水との割合は水セメント比【=水(kg)/セメント(kg)】と呼ばれ、川崎ゲートタワーの場合、長期優良住宅の認定基準である45%以下をクリアする、より耐久性を高めたものになっている。 疑問を確認したところ、「高強度コンクリートを使用するにあたっては、水を過剰に使用しないために高性能AE減水剤を使うが、併せて密実なコンクリートを打つために、流動性を確保することが必要であるため、大臣認定を取得したコンクリートを使用している。」という答えが返ってきた。
 また、当日実際に型枠に打設したものと同じコンクリートをいくつかサンプルとして採取していた。これは、コンクリートの強度については28日目のサンプルの強度を確認するためだ。また、型枠を取り外す時期の判断についても、必要時期にサンプルの強度を確認した上で行っている。そのサンプルをつくるためにビールジョッキほどの型枠に、一本づつ詰めていく作業が傍らで行われる。実際の型枠に流し込むのと同じ状態に環境を整えるため、棒で突く回数や鏝(こて)でこする仕方までが決められていて、素早く作業するなかにも正確さが求められるということを現場で聞いた。
 検査は15分ほどで終了する。結果が出るたびに大きな声で数値が読み上げられ、黒板に次から次へ書き留められる。さながら軍隊の連呼のようだ。しかし、そのような厳格さが、建築現場では必要だ。当然のことだが先にあげた検査項目はすべて合格であった。
 
 長期優良住宅認定基準では「数世代にわたり住宅の構造躯体が使用できるよう、通常想定される維持管理条件のもとで、構造躯体の使用継続期間が少なくとも100年程度となるように措置すること」とある。100年とは親子三代が続けて暮らすことができる年数と考えてよい。購入した家が三世代使えるとなると、子や孫の世代は住宅のメンテナンスに重きをおいていくことになるだろう。そうなれば人生三大出費と呼ばれる住宅費の支出分を他にまわすことができるようになるかもしれない。

pagetop
(上)横に広がったフレッシュコンクリートの流れた大きさでワークビリティを判断する。検査はまるでお好み焼きを作るようであった。 (上)あっという間にすべての検査が終了する。
ヘアライン

Copyright(C) 2011 Kawasakicity housing public corporation. All Rights Reserved.