ホーム - 長期優良住宅の住まい選び - 住宅の真価、可変性ということ。

可変性とはライフステージの変化にともない住宅の間取りを自由に変更できるようにすること

  長期優良住宅とは「長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅」である。将来に渡って長く自分の家に住まうということを考えたときに、大事なものはなんだろう。住宅の基本は、暮らしを支える安全性と実際の使いやすさであろう。そこに「長く住まい続けること」という考え方をも求めてみる。そこになにが見えてくるだろう。

 家を購入する時点で将来の家族構成や生活の変化等可能性すべてに対応する住宅を選ぶということは非現実的と言わざるを得ない。子どもが独立して当初の部屋数が必要なくなった、加齢等に伴う身体機能に対応した間取りへ変更したい、このように20年、30年住み続けていくうちに状況は変わっていく。時間が経ってみて初めて感じることも多いのだ。しかし、共同住宅の場合、構造躯体の部分は共用部分であるため間取りの変更を希望してもプランによっては、一所有者の意思のみでは変更できない場合がある。だからこそ設計する時点で細かな配慮が重要になってくる。

長期優良住宅認定基準の1つである「可変性」はそのような生活状況の変化に対応するためのものだ。「可変性」のために必要な措置として「躯体天井高2,650mm以上」という認定基準が設けられている。これによって居室の天井高は確保しつつ、排水・給水のための配管や照明等の電気配線を行うスペースとして、二重床、二重天井を設けることができ、間取りの変更を一定の範囲内で実現できる、という考え方だ。

 川崎ゲートタワーは平成22年度第1回長期優良住宅先導事業に「環境に配慮した長寿命化タワーマンション」をテーマに提案を行っており、「可変性や省エネ、耐久性といった共同住宅において求められる基本的な性能に対する個々の要素技術をバランス良く総合的に取り入れ、履歴情報や維持管理の仕組みにまで細やかな配慮を行っている。」という内容が評価され、先導事業として採択されている。長期優良住宅先導事業は、長期優良住宅認定基準を満たしている住宅であることに加えて先導的な取り組みである提案により評価されるものだ。

 「可変性」に関して、川崎ゲートタワーの場合を見てみよう。まず躯体天井高は2,800mm以上(梁下を除く)を確保している。また、長期優良住宅先導事業において、「可変性」への提案として、「一部床先行工法の採用」と、「各住戸ごとのバリアフリーメニュープランを用意する」という取組みを行っているとのこと。詳しく見ていこう。

 図1、は先日内装工事を始めた現場で撮影してきたものだが、間仕切り壁が床下地の上に乗っている「床先行工法」の写真だ。川崎ゲートタワーは外壁面とユニットバス回りを除く間仕切りがこの「床先行工法」となっている。通常の壁先行工法であると、リフォーム時には間仕切りで区画された部屋ごとに床下地を含めてニ重床をやり直さないといけないが、床先行になっていれば、床下地の大部分は残してフローリングを剥がし、間仕切りを移動(または撤去)、そして再度フローリングを敷きなおすことで済み、リフォームが容易になるというものだ。また川崎ゲートタワーの間取りの各標準プランは間数優先プランとして設計されている。購入時にメニュープランを選択している場合でも、標準プランの間数分の外壁面のエアコンスリーブ(配管用貫通穴)とコンセントは予め準備してあるため、標準プランにリフォームする際には、各部屋にエアコン設置が問題なくできるようにもなっている。

 「バリアフリーメニュープラン」とは、「将来に渡って長く自分の家に住み続けるということ」を考えるにあたり、車椅子(自走式)での生活を例にとった設計プランを1つの提案として予め購入者に提供するものだ。将来バリアフリー設計を検討する際にその足がかりとして利用することができるものとのことだった。また、川崎ゲートタワーでは全ての間取りタイプに、手すりをトイレ・風呂に設置し、将来対応用の手すり下地が玄関・廊下・洗面所に設置されている。床の段差もできる限り少なくなっているため、将来的には身体機能のレベルに応じたバリアフリープランの検討も可能となっているといえるだろう。

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居住者のライフスタイルの変化に応じて間取り変更の図。
※国土交通省ホームページの資料より
躯体断面図(イラスト)から見る各部の名称 図1、川崎ゲートタワーの床先行(現場写真) 川崎ゲートタワー床先行工法概念図 川崎ゲートタワー床先行工法概念図
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