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長期優良住宅認定の要件のひとつである耐震性。「川崎ゲートタワー」は境界梁ダンパー+コアウォールによる制震構造を採用

 「川崎ゲートタワー」は境界梁ダンパーとコアウォールの組み合わせで大地震の際の揺れを効果的に軽減するように造られている。特に優れた技術でなく当たり前に都内の高層マンションに使われている技術だ。建物の中心部分(通常エレベータや階段)に高強度コンクリートのコアウォールを組み、コアウォールの4面に制震ダンパーを取りつけて地震エネルギーを吸収するという構造だ。既存のRC造マンションでは柱や梁を格子状に組まないと強度が保てないが、そうすると間取りや設備の設計にどうしても制限を受けてしまう。このシステムだとコアウォール周辺で強度が保たれるため、他のエリアの寸法取りがかなり広がる。「フリープラン」「高い天井」「間取りの可変性」などといった購入者のニーズに幅広く応えることができるという。
 「川崎ゲートタワー」は制震構造であると同時に、可変性(住民が時を経て、生活スタイルの変化に対して住戸プランを変更しやすい)にも対応するために、この工法を採用している。スケルトン・インフィルという言葉を良く耳にする。柱・梁などの構造体(スケルトン)と住宅内の内装・設備(インフィル)を分離した考えであるが、これに対応できる工法である。長期優良住宅の条件である住宅の可変性や維持管理がこの工法で共有できて、まさに一挙両得なのである。

 わずかな時間であったが他にも有意義な話を伺った。印象的だったことは、長期優良住宅は特別すばらしい理念の住宅ではないということだ。スクラップアンドビルドからストック中心の住宅生活は、長期優良住宅の考えなしでも、すでに建築業界では当たり前の考えであるとのこと。理念に捕らわれずとも、技術や目標は日進月歩に進んでいるようである。そして私たちが安心して住める未来のことを考えている。

耐震・制震・免震 三つの技術


 地震の揺れに対して住宅の建築構造は3種類に分かれる。揺れは建物に対して振動エネルギーを伝える。建物はどうにかしてそのエネルギーを防ぎ、その力に耐えなければならない。その受け止め方に3つの違いがある。

■耐震
柱や壁など構造物を強化して、振動エネルギーを受け止めて揺れにたいして耐える方法。骨組みを堅くしてがっちり構造物を造る方法。しかし、振動が伝わりやすく、揺れが始まると衝撃度が増幅されやくなる。

■制震
壁の中や梁などに制震装置を取り付けで揺れを熱エネルギーに変換させて、建物の損壊を最小限に防ぐ方法。繰り返しおこる揺れに対してもエネルギーを吸収する。

■免震
基礎と土台の間に、免震装置を取り付けて、地震の揺れを建物に伝えない技術。免震装置が揺れを吸収するので、大地震が起こっても建物のダメージはかなり抑えられる。工事工程が多いのと「ダンパー」のコストやメンテナンスなどがかかることから、費用面において課題がある。

 今回の大震災の被害はそのほとんどが津波による被害である。東日本全体で揺れが6分間続いたにもかかわらず、大きく倒壊した建物は皆無に等しい。これは日本の地震に対する技術が優れていると誇ってもよいのかもしれないが、次のような記事もあった。マグニチュード9.0、最大震度7という国内最大の規模にも拘わらず、地震の揺れにより建物が倒壊した報告がないのは地震の揺れの周期が関係していた。「キラーパルス」と呼ばれる周期が1秒前後の揺れが少なかったことが原因だ。これが幸いして多くの家屋が倒壊を免れたと言われる。

 とはいえ、首都圏の高層マンションを始めとする建築物は地震のエネルギーに耐えた。これは長年の地震に対する研究が功を奏しているということだ。



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(上)工事現場を訪ねた。現場は塀に囲まれ、外からは中の様子は伺うことはできません。 どんな工事が行われているか興味深いところだった。 (上)長期優良住宅「ゲートタワー」の梁にある、制震ダンパーの写真。マンション完成後には見ることが出来ないので写真撮影の許可をお願いした。(左下)清水建設がサイト上で公開している、超高強度RCコアウォールと制震ダンパーのイラスト。実物のダンパーを見るとシンプルすぎている。このイラストを見る限りではなにかハイテクな装置に見え、開口一番実物のダンパーに、思わずこれがダンパー? …ですか? という問いに、うなずいた。特にすごいものではなく、技術というのはこういうことです。とあっさり答えた。(右下)実際に力を加えて、ダンパーにエネルギーを吸収させている実験 耐震・制震・免震の説明をイラスト化したもの。
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